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皆様こんにちは。
今日はとても大切なジュエリーウォッチの修理でお預かりしたお品のお話です。
古くからの当工房のお客様でチェーンの長さを短くして欲しいとのご依頼でした。
K18ゴールドにルビーとダイヤで飾りが付いた腕時計なのですが、
何やら四角い箱に仕掛けがありそうですね。
横から見た感じはこんな風です・・。
たくさんのルビーとダイヤが使われ特に箱の上のマーキスダイヤはとても大きいです。
(猫の目の様な形です)
箱の上のマーキスダイヤを持ち上げると、な~んと!!
そこには・・・・・。
金色の文字盤の時計が出てきました。。
見るからに古い年代を感じさせる雰囲気です。。
さて肝心のチェーンを短くする加工ですが、普通のお店では 「 出来ません・・。 」とお断りされるかと思いますが、弊社ではお預かりをして制作を致しました。
現在の物全てではありませんが作られたものが元から修理が出来ない様になっている製品が多い
昨今と違い、この時代の作りは制作した職人さんが必ず色々修理が出来る様に細工や仕掛けがしてあります。その方法を見極めてお預かりした大切なお品をご依頼内容通りに制作するのですが、元々が
ハイレベルな技術で創ってありますので制作には経験と技術がないと対処する事が出来ません。
私どもは長年ジュエリーや時計、その他様々な制作や修理を手掛けてきたお陰で、色々な技術の
蓄積をする事ができ、またお客様に支えられ今年で30周年を迎える事が出来ました。
お預かりしたお品をじっと眺めていて思ったのですが、このジュエリーウォッチを制作された職人さんは素晴らしい技術の持ち主であったはずですが、お客さまから60年以上も前のものとお聞きしておりますので、今はもしかしたらこの世にご存命されていないかもしれんません。
しかし、職人としての自分がいなくなった後、次の世代にも使って行ける様にデザイン性や着け心地、
宝石としての魅力を盛り込みながら後に修理が出来る様に制作、創作が施してあるのです。
その心血を注いで創られたジュエリーを、今を生きる私たちに託してくれてるのだから
「 出来ません、お預かり出来ません ・・・。」ではすまされないのです。
私自身も職人としてこれはぜひ、見習わないといけない事です。。
そして、実はこの時計はとても古くて時計の裏ぶたに手彫りで彫られたメッセージがありました。
“ to My Darling Wife for our 24th Annversary 1943 ”
きっとご結婚24周年で奥さまのためにプレゼントされた記念にメッセージを彫られたのだと思いますが、1943年ですから今から69年前の時計です。
そして1943年から24年さかのぼると1919年でいまから93年前にご結婚された事となります。。
大切な記念日に形に残るプレゼントとても素晴らしいと思いますが、なんといっても何十年も前のものが大切にされている使われている事が嬉しく思います。
一元管理された量産品も良いのでしょうが、
やはり着ける方の希望がカタチになったジュエリーを私はお勧めしたいと考えます。
ぜひ、お気軽にご相談下さいませ。お待ちしております。
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